このサービスについて

セキュファイル便は、特定非営利活動法人ぱっぷす(PAPS)が運営する、無料のファイル転送サービスです。会員登録をせずに利用できます。

エンドツーエンド暗号化(E2EE)

より高い機密性が求められる場面のために、エンドツーエンド暗号化(E2EE)モードを選べます。E2EEでは、ファイルとファイル名の暗号化・復号をすべて利用者のブラウザ内で行い、鍵もパスワードもサーバーに送信しません。そのため、通信中はもちろんサーバーでの処理中でも、運営者を含む第三者が中身を復号することはできません。

業務上の機密文書や個人情報、契約書、証拠資料など、安全性を最優先してファイルをやり取りしたい法人・個人に適しています。受け取る人は、パスワードを使ってブラウザ内でファイルを復号します。

E2EEは詳細設定から有効にできます。暗号化・復号は端末の性能に依存するため、通常モードより時間がかかる場合があります。

なぜ、このサービスを公開しているのか

ぱっぷすでは、弁護士や法執行機関などとの間で、証拠となる画像や機微なデータを安全にやり取りする必要があります。

一般的なメールでは、通信経路が暗号化されていても、メールサービスや送信先にファイルの複製が残ることがあります。また、宛先を間違えて送信してしまうと、後から完全に取り消すことは困難です。

こうした問題は、支援現場だけのものではありません。個人情報、契約書、写真、証拠資料など、他人に見られたくないファイルを安全に送りたい場面は、誰にでもあります。

そこで、ぱっぷすが実際の支援活動で必要としてきた仕組みを、どなたでも利用できる無料サービスとして公開しています。

ファイルはどのように守られるのか

アップロードされたファイルは、ファイルごとに生成されるランダムな「データ暗号鍵」を使い、AES-256-GCMという方式で暗号化して保存されます。

AESは米国政府の標準暗号方式として採用され、国防分野を含め、世界中で機密情報の保護に利用されています。AES-256は、世界中の暗号研究者によって長年にわたり安全性が検証されている暗号方式です。

AES-256-GCMには、ファイルの内容を読めなくするだけでなく、保存中のデータが改ざんされたり破損したりしていないかを確認する機能もあります。セキュファイル便では、ファイルを一定サイズに分割し、それぞれを暗号化・認証しています。

Argon2idとは

Argon2idは、パスワードを安全な暗号鍵へ変換するために設計された「鍵導出関数」です。

通常、人が設定するパスワードは、完全にランダムな暗号鍵よりも短く、辞書にある言葉や一定の規則が使われることがあります。そのため、パスワードをそのまま暗号鍵として使用するのは安全ではありません。

また、一般的なハッシュ関数は非常に高速に計算できるため、攻撃者にとっても大量のパスワード候補を短時間で試しやすいという問題があります。

Argon2idは、1回の計算に一定の時間だけでなく、意図的に多くのメモリを使用します。そのため、GPUや専用機器を使って何百万、何億というパスワード候補を同時に試す攻撃には、大量のメモリと計算資源が必要になります。

正しいパスワードを入力する利用者にとっては一度だけの処理ですが、無数の候補を試す攻撃者には、その負担が試行回数に応じて積み重なります。これにより、パスワードの総当たり攻撃に必要な時間と費用を大幅に増やします。

Argon2idは、パスワードから暗号鍵を作る際の情報漏えいに配慮した「Argon2i」と、総当たり攻撃への強さを重視した「Argon2d」の特徴を組み合わせた方式です。国際的な技術文書であるRFC 9106や、ウェブセキュリティの普及に取り組むOWASPでも推奨されています。

セキュファイル便では、このArgon2idを採用することで、パスワードから直接、単純に暗号鍵を作る場合と比べて、パスワード解析への耐性を高めています。

パスワードそのものは保存しません

サーバーに保存されるのは、暗号化されたファイルと、暗号化されたデータ暗号鍵です。利用者が入力したパスワードそのものは、サーバーのどこにも保存されません。

ファイル名も暗号化されるため、保存されたファイル名から内容を推測されることもありません。

そのため、サーバーに保存されたデータだけを取得されても、パスワードがなければファイルの内容を読み取ることは極めて困難です。

重要:パスワードを紛失すると、ファイルを復元することはできません。ぱっぷすでもパスワードの確認やファイルの復元はできません。また、短い文字列や一般的な単語など、推測されやすいパスワードを使用すると安全性が低下します。自動生成されたパスワードを利用するか、十分に長く推測されにくいパスワードを設定してください。

通信も暗号化されます

ブラウザとセキュファイル便のサーバーとの間の通信は、すべてTLS(HTTPS)で暗号化されます。

これにより、ファイルのアップロードやダウンロードの途中で、通信内容を第三者に盗み見られる危険を抑えています。

ファイルは自動的に削除されます

ファイルは、次のいずれかの条件に達すると自動的に削除されます。

送り主が許可している場合は、受け取った人がダウンロード後に、その場でファイルを削除することもできます。

ファイルを必要以上に長く保存しないことで、情報が残り続けるリスクを抑えています。

記録している情報

権利侵害への対応や、法令に基づく発信者情報開示請求などに対応するため、アップロード元のIPアドレスを記録・保管しています。

違法な情報や他人の権利を侵害する情報が投稿された場合は、法令や利用規約に基づき、関係機関や権利者へ情報を開示することがあります。

セキュファイル便は、違法・有害な情報の共有を目的として利用することはできません。

大きなファイルにも対応しています

ファイルは細かく分割してアップロードされます。

通信が途中で切れた場合も、接続が回復すると中断した部分から自動的に再開します。モバイル回線など通信が不安定な環境でも、最初から送り直す必要がありません。

ダウンロードについても、中断したところから再開できます。

運営団体について

セキュファイル便は、性的搾取やデジタル性暴力の被害者を支援する特定非営利活動法人ぱっぷす(PAPS)が開発・運営しています。

ぱっぷすでは、相談支援、性的な画像や動画の削除支援、繁華街でのアウトリーチ、若年女性のための居場所や宿泊場所の運営、被害を早期に発見するための技術開発などに取り組んでいます。

ソースコードを公開しています

本サービスを動かすソフトウェアのソースコードを、だれでも閲覧・検証できるようMITライセンスで公開しています:github.com/paps-jp/securefile

暗号化やファイルの扱いを、説明を信じるだけでなく実際のコードで確かめられます。第三者が検証できるということは、提供者を無条件に信頼しなくてよいということであり、透明性そのものが安全性を高めます。

運用状況

保管中のファイル 655 件(9.3 GiB)

ディスク使用量:9.3 GiB / 200.0 GiB(4%)